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吉原花魁日記 森光子 [本]

大正末期に、吉原の遊郭に娼妓として働いていた女性の「日記」と言われるもので、大正15年に出版されている。「日記」とは言うが、内容は会話体が多く、おそらく日記自体は存在したのだろうが、それを読ませるために、小説風に脚色したものだと思う。実際、全く同じエピソードが、ほぼ同じ表現で、日記の前半と後半の違う日に、語られていたりする。また、作者の経歴として、2年間娼妓として働いた、と出版当時公表されていたらしいが、後書きには、作者自身が、「数ヶ月」と書いている。

しかし、それでも、当時の娼妓がどのような生活をしていたのかはよくわかる。ほぼ監禁状態におかれ、定期的に病院で検査をされるが、それは女性を守るためではなくて、男のために「安全な遊び場」を確保するためだ。現代の医者のような何十時間も眠れない連続の労働や、月に1日しかないという休日。1日に10人も客を取るという。しかも、売り上げはほとんど楼主にとられ、その後様々な自 腹の経費を差し引くと、借金しないと暮らしていけないという状況が描かれている。大正末期なんて、そんなに昔のことではない。作者の消息は不明らしいが、今、105歳で生きていたとしても不思議ではない。そんな近い昔に、こんなひどいことが行われていたなんて、法律が作られて、労働時間や賃金の支払いについては改善されても、男性上位の文化が、なかなか変化しないのは、ついこの間まで、日本はこういう社会だったからなのだろう。


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